- 10月
- 2024年11月
Silicone case for iPod nano(2nd)クリアを発売してから、ずっと気になっていたことがありました。それを強く感じるようになったのは写真撮影をしているときでした。最初のケースにクリアだけという選択をしたのはカラーの調整などの難しさや、クリアであればiPod nano(2nd)のどのカラーにもマッチしていて良いのではないかと考えたからです。
以前のエントリーで書いたと思いますが、このシリコンケースはそれなりの強さを考えて若干厚めに作ってあります。そのために日常的に出し入れをしていても切れるということはほぼありません。実際に今まで販売してきて切れたという報告は1件しかありません。これも切れたというのではなく切れていたというもので、製造上のどこかでミスがあったものと思われます。本来の姿であれば切れることはないと考えています。
少し厚めに作ってあるということは、シリコンという素材は完全なクリアではないため厚くなればなるほど白みが増してきます。したがって、実際はクリアというよりもスノーとかいう表現の方が正しいのかもしれません。ぼんやりとiPod nano(2nd)のカラーが浮かび上がってくるような、そんなイメージです。
しかし、問題はブラックだったのです。写真撮影をしていて、どうしてもブラックのiPod nanoを入れてみるとしっくりこないのです。他の色はとても良い感じになっているのに(写真が、ではないですが…)、ブラックはどうしてもくすんだような感じになってしまうのです。
そこで、ブラックにはブラックなのかな、と思い始めたのがカラーバリエーションを作るきっかけでした。
もうひとつ、あまり大きな声では言えませんが、セールス的な面でいうと1ラインナップで販売するよりもカラーバリエーションを出した方が売り場面積の専有とブランドとしての見栄え、そしてもちろん売り上げ面にも大きく影響してくるのです。
1ラインナップの場合、競合他社がカラーバリエーションを出してくると、当然ひっかけるフックの数は増えてきてそれに押されてしまう形になり、結果店頭での占有スペースが減ってきてしまいます。また、カラーバリエーションでパッケージの統一などを行なって展示すると見た目もキレイになり、その中からどれかを選ぼうという心理が働きます。
売り上げについては売れ行きのばらつきによる在庫リスクや、iPod nano(2nd)が将来モデルチェンジした際のリスクなども考えるとそれほどメリットだけあるわけではありませんが、シリコンケースをiPod nano(2nd)用に提供する上で、ブラックだけはどうしても作りたかったということもあり、カラーバリエーションを作ることに決定しました。
実際に色を作っていく際に、特にブラックは市場で売っているブラックとは違うものにしました。他のカラーは色を混ぜてはいるのですが、少し透明感のある仕上げにしてあり、iPod nano(2nd)を入れてしっかり色が付くというようにしました。ブラックだけはホントのブラックなのです。今までとはまったく違うテイストに仕上がりました。埃の付かないアンチダスト加工をしているからこそできたブラックです。普通のシリコンケースだと埃が付いてしまうので、真っ黒だと目立ってしまいますから。
そんなこんなで書けば書くほどいろいろなエピソードが出てきてしまい長くなってしまいましたが、シリコンケース製品開発ストーリーはひとまずここで終了となります。今後もいろいろと考えていることがありますので、また何か作ることがあるかもしれません。その時には、カタログやウェブページにはない裏話や苦労話が書けるといいなと思っています。
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このブログを書いたスタッフ
プレジデント
ほっしぃ
音楽からMacの道に入り、そのままApple周辺機器を販売する会社を起業。その後、オリジナルブランド「Simplism」や「NuAns」ブランドを立ち上げ、デザインプロダクトやデジタルガジェットなど「自分が欲しい格好良いもの」を求め続ける。最近は「24時間365日のウェアラブルデバイス|weara(ウェアラ)」に力を注いでいる。
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